今学期のMCC235: Media Interpretingが終了しました。この投稿ではTA(Teaching Assistant)を担当した岡﨑が授業について振り返ります

MCC235 Media Interpreting (2025S)

シラバスの概要は以下のとおりです:

A)   メディア通訳に関する様々なトピックに関してのリサーチ・発表・逐次通訳・ディスカッション
 1) ニュース通訳:段取り・設定、準備、対象となる視聴者、訳出言語、スコポス、倫理、その他の関連トピック(例、時差通訳・同時通訳・生同通の違い等)
 2) トークショーやエンタテイメントショーにおける通訳:段取り・設定、準備、対象となる視聴者、訳出言語、スコポス、倫理、その他ジャンル特有の概念や関連問題
 3)記者会見における通訳:段取り・設定、準備、対象となる視聴者、訳出言語、スコポス、倫理、その他ジャンル特有の概念や関連問題

B) ニュース通訳・記者会見通訳演習(英日・日英):時差通訳・同時通訳・生同通・逐次通訳・ウィスパリング通訳
 1) 同時(吹替)通訳(要通訳の映像音声を事前に視聴しある程度の準備を行った同時吹替通訳)
 2) 同時(時差)通訳(要通訳の映像音声を直前に視聴し限定的な準備のみ行った同時通訳)
 3) 生同通(緊急報道等での事前準備無しの同時通訳)
 4) トークショー・記者会見における逐次通訳・ウィスパリング通訳
 5) プロ通訳業務の主要分野(政治・国際関係・法律・経済・金融・ビジネス・経営・環境問題・農業・食品・テクノロジー・IT・医学・医療、等)における日英語彙の運用力増強

(田村, 2025) 

AY20205の授業

メディア通訳学(Media Interpreting)では、実務レベルの力をつけるためだけではなく、報道に携わる通訳者の多面性を理解するために様々なアクティビティが行われました。個々の課題にそれぞれ意味があり、授業と授業外の予習復習を通じて訳出の精度を飛躍的に向上できる大きなチャンスであったともいえます。

特に、通訳学の主要論文を要約し、指定言語(日本語あるいは英語)で発表のアクティビティでは、高度な知識とプレゼンテーション能力が求められますが、教室内にとどまらない実務的な通訳学の知識が身に付きます。発表後は、グループに分かれて議題について話し合うことで、論理的に意見を伝える練習となり、Senior Thesisを書くための基礎作りにもなったのではないでしょうか。ゲストスピーカーとしてお招きした際には、スポーツ通訳者としての生き方について先輩からの身近なお話が聞けたのではないでしょうか。

メディア通訳の授業とあって、学生たちの「上手くなりたい」「もっとできるようになりたい」という向上心をひしひしと感じていました。この授業で培ったスキルを機に、学生通訳者として活躍した学生も大勢います。そして、コンテストなどに積極的に参加することで将来の職業へ繋がるきっかけを掴む学生もいます。講義補助者としての立場から、学生たちの成長が頼もしく感じられ、それと同時に、学生たちの得手不得手をどのように補助できるか、改めて考えさせられる学期でした。学生の皆様のますますのご活躍を期待し、本レポートの締めとさせていただきます。ありがとうございました!


文献リスト

田村, 智子. (2025). MCC Media Interpreting.メディア通訳( シラバス).国際基督教大学. https://campus.icu.ac.jp/public/ehandbook/PreviewSyllabus.aspx?regno=11278&year=2025&term=1