こんにちは。ICU25卒、MIIS(Middlebury Institute of International Studies)2年の井原菜緒です。今回は私が夏季休暇中に米国でエアコン関連の日系企業のインターンをした経験について書かせていただきます。

製造業のイメージは何かありますか?

これは、インターン面接で聞かれた質問の一つでした。今まで製造業関連に関わったことがなかった私は、正直かなり曖昧な返答でその場を乗り切りました。幸い面接に受かり、いざ製造業で働き、「製造業らしさ」について学びました。3ヶ月弱の経験をした身から、製造業について少しお話ししたいと思います。

まず製造業は、その名のとおりモノを「製造」することを生業とします。重きが置かれるのは安全性と生産性です。特に金型などを扱う工場では、常にリスクが潜みます。事故を防ぐためにも、安全第一が重要視されます。その上で、効率良くモノを生産するために何ができるかに注目します。また、製造業では様々な企業が密接に関わり合っています。メーカーであるOEM(Original Equipment Manufacturer)はティア1企業から部品が供給され、ティア1企業はティア2企業から部品が供給され、ティア2企業はティア3企業から…と、その供給網は階層構造をとります。最後に、メーカーは自社製品を広範囲で売るため、商品の販売店であるであるディーラーに商品を売ってもらいます。ディーラーは顧客と直接関わるので、メーカーにとってディーラーはとても重要です。

まだまだ特色はありますが、個人的に特に強く感じたものを取り上げてみました。日本の基盤産業とも言われている製造業。もし興味がありましたらぜひ調べてみてください。

アクセントの嵐

インターンで一番最初に見学で入った会議は忘れられません。参加者はアメリカ系、ヒスパニック系、ベトナム系、インド系の現地の技術者と日本からの出向者でした。会議が始まり、出向者以外は英語で全員話しているはずなのに、言葉が全然頭に入ってこない。そう、気づけばそこはアクセントの嵐でした。

面食らった私は、その会議で難なく通訳をされていた先輩の通訳者に相談しました。「最初はそんなもんだよ、経験を積めば耳が慣れていくから大丈夫。」その言葉に励まされ、スポンジのようにたくさんの言葉を吸収していく日々が始まりました。短い期間ではありましたが、インターンで色々な方の通訳につき、数ヶ月過ごしていく中で、耳が少しずつ順応していくような気がしました。

振り返ってみると、今まで自分が練習してきた題材は、アメリカ英語を中心としていました。グローバル化した世界において、英語の多様性は当たり前。言語の架け橋はそれに対応できる必要があります。この時、私は身をもってそれを実感したのです。

「?」を追いかける

はじめての業界で、右も左もわからない状態で始まったこの夏。部品の名前、よく使われる略称、組織の構造など、社内通訳では独自の用語や物事の進め方がたくさんあります。インターンでは新しい言葉を学び、周りを観察し、色々調べ、分からないことは聞いていく毎日でした。そこで思い出したのが、田村先生の単語テストでした。授業では、ただ暗記するのではなく、その意味を理解することが重要だと強調されていました。インターンでも、今まで聞いたことがなかった言葉を文脈の中で理解することで、自ずとパズルのピースが組み合わさっていくように、少しずつ頭の中で整理されていきました。ICUの通訳での授業で学んだことが、実践に繋がっていったのです。

最後に

私が通訳者を目指しはじめた一つの理由は、いろんな世界を自分の目で見て(今はオンライン通訳もあるので「耳で聞いて」とも言っておきましょう)みたいからです。今回のインターンでも、さまざまな方の考えに触れ、その架け橋となる通訳の面白さを感じる場面がたくさんありました。ICUの通訳の授業では、通訳スキルや通訳者としての心得など、現場で直接活かせることがたくさん詰まっていたと、改めて振り返ると思います。

今回の記事を読んでいただき、ありがとうございました。