こんにちは!24April (卒済)の太田梨胡です。

今回の投稿では、2024年度からICUで発行されるようになった「通訳翻訳全科目修了証書(Certificate of Completion with Excellence in Translation and Interpreting Coursework)」についてご紹介します。

TI Certificateについて

この証書を受け取るには、ICUで開講されているMCCメジャー 100番台以上の通訳と翻訳の授業を全て履修し、B以上の成績で修了することが必要とされています。(Course list below)

  • MCC107: Introduction to Interpreting  通訳入門
  • MCC108: Introduction to Translation  翻訳入門
  • MCC231: Beginners Interpreting Practice  実践通訳初級
  • MCC232: Interpreting in Society  社会と通訳
  • MCC235: Media Interpreting  メディア通訳
  • MCC236: Translation at Work  創造する通訳
  • MCC237: Media Translation  メディア翻訳
  • MCC238: Translation in Society  社会と翻訳
  • MCC331: Advanced Interpreting Practice  実践通訳上級
  • MCC385: Advanced Studies in Translation  翻訳特別研究

このコースリストの履修をB以上の成績で修了すると、Moodleから本証書の申請を行うことができます。履修が終わって成績表を確認したら、申請期間を逃してしまわないようしっかりチェックしておきましょう!

また、これらのコースを履修すると、修了証書の他にも、Middlebury Institute of International Studies(MIIS)のAccelerated Entryにも応募することができます!少しでも興味がある方は、ぜひこちらも併せて読んでみてください。Accelerated EntryでのMIIS 進学が決まった井原菜緒さんの投稿です♪

なぜこのような証書が発行されるようになったのか?

通訳翻訳全科目修了証書についての説明はここで終わってしまいましたが、最後になぜこのような証書が発行されるようになったのかについてお話ししておきたいと思います。

ICUには教職課程や日本語教員、学芸員などの特殊なプログラムと、自身の専門性・資格を証明するための証明書が発行されています。しかし、同じように特殊な言語専門性と技術を扱う通訳・翻訳については何の証明もありませんでした。

ICUでは数々のシンポジウムやイベントが開催され、国内外からの参加者がいらしたり、学内でもざまざまな背景を持った教員・学生らが参加したりします。

そこで、日本語あるいは英語のみが扱われると、学内外、また国内外にその様子や取り組みなどを発信できないため、多くの学会やイベントでは同時通訳あるいは逐次通訳サービスが提供されるようになりました。そこに携わるのがICUの通訳訓練生ですが、意外と「通訳の訓練をしたからといって他のバイリンガルとどのような違いがあるのか」「バイリンガルであれば通訳は余裕」などと疑問を投げかけられたり、偏見を持たれたりもします。

しかし、バイリンガルであることと、異なる文化や言語の仲介をする通訳者は全く違うものであり、学生であったとしても、訓練を受けたプロの卵としての証明をし、その認識を広めてもらいたいと、授業内でも学生通訳同士の会話でも声が上がりました。

さらに、通訳や翻訳の勉強をし訓練をしたといっても、それがどのくらい高度なのか、また重要なのか証明できるものがあってこそ、学生通訳者としての地位を高めることができます。

学生通訳者の扱いについて卒業論文を執筆した小松あろはさんを始め、私たち通訳訓練生は、学生通訳者の専門性を証明するためにどのような取り組みを行えば良いのかをコースインストラクターの田村智子先生と考えてきました。このブログサイトやFacebookのグループ作成もその一環です。証明書を自分の技術の証明として持ち、いつでも情報のインプットをしたり、相談できる頼もしいコミュニティがあってこそ、通訳・翻訳を研究する、または訓練を受けるモチベーションが高まるとも考えています。ここ数年ではICU内での学生通訳の待遇や報酬、実践の場、技術の証明など、学生通訳にとっての環境も徐々に改善されてきています。

さらに通訳訓練の重要性と専門性を広めるために、この証書獲得を目指して、皆さんも是非全てのコースをB以上で駆け抜けて、大きな自信をつけて卒業していただきたいと思っています!